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2017/3/1
女性の健康週間2017年 友達と一緒に「女子会検診」!<前編>


子宮頸がんは女子大生の私たちにも関係のある病気?

 

毎年、3月1~8日は「女性の健康週間」です。これは厚生労働省では、毎年31日から38日までを「女性の健康週間」と定め、女性の健康づくりを国民運動として展開しています(厚生労働省 女性の健康づくり より)というものです。

デイジープロジェクトでは、この週間に合わせて、子宮頸がんについて情報を発信していきます。本年は、昨年のワークショップにでてきた「女子会検診」を開催しました。女子会検診とは、<一人ではちょっと敷居が高い産科婦人科も、仲のいい友達となら行くことができるかもしれない。普段は少し話しづらいけれど、気になっていた身体のことを知ることがでるかもしれない。楽しいランチの前に、みんなで一緒に検診を受けにいってみよう!>というもので、検診受診率向上のアイデアとしてでてきたものです。

今回この女子会検診に参加してくださったのは、Aさん(22歳)、Bさん(20歳)、Cさん(19歳)のお友達同士である女子大生三名です。検診は群馬県・高崎市の佐藤病院にご協力いただきました。また、お話はNPO法人ラサーナ理事長の福田小百合さんにしていただきました。

 

子宮頸がんと子宮体がんは別のがん

 

福田 ではまず、子宮頸がんについてお話しますね。

子宮の入り口にできるがんを「子宮頸がん」といいます。子宮の内側にできるのが「子宮体がん」。これは別のものなんですね。別のところにできるし、原因も別です。

子宮体がんというのは、大体50代くらいのもう生理が終わりましたよ、という年齢のかたが罹るといわれています。閉経したのに不正出血があり、診察を受けたらがんとわかる、というように子宮体がんは比較的症状があります。

一方、子宮の頸がんは、30代が発症のピークといわれています。30代というと多分皆さん結婚して、小さなお子さんがいる年齢なので“マザーキラー”と呼ばれているんですね。子宮頸がんは、がん家系であるとか、ほぼ関係なく、多くは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウィルスの感染によって発症するがんなんです。

初期の自覚症状はあまりありません。痛みや、出血などがないので、検診に行かないとわからないのです。自覚症状が出たときに、実はかなり進行していることもあります。

 

子宮頸がんの原因となる「ヒトパピローマウイルス(HPV)」とは?

 

ヒトパピローマウイルスは百数十ほど型があるといわれていますが、その中の十数個に発がん性があることがわかっています。特に子宮頸がんになりやすいウィルスの型が16型と18型です。この2つが子宮頸がんの原因の大体を占めているというふうにいわれています。

今回参加してくれた皆さんは、子宮頸がんのワクチンを打っていると伺っていますが、このワクチンは16型と18型の発がん性ヒトパピローマウイルスをブロックするものです。接種すると、新たにこの型のウイルスに感染することはないといわれています。ただ残念ながら子宮頸がんの原因は16型と18型がほとんどですが、それ以外の型のウイルスでも発がんすることがあるので、それらに関してはブロックができません。ですから、やっぱり検診を受けるということが大切になってきます。

 

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性交渉で誰もが感染する可能性があるウイルス

 

ヒトパピローマウイルスは性交渉で感染しますが、健康な人、免疫力がある人の多くは自然に排除されていきます。例えば、風邪やインフルエンザもウィルスですよね? それらが、ほとんど排除されるのと同じです。でもヒトパピローマウイルスの感染が長引くと、がん化することがあります。

自然排除されても性交渉で何度でも感染してしまいます。ほんとに風邪と一緒ですね。何度でも感染してしまうので、排除できるように丈夫な体を作っておくことはもちろん、検診で感染が長引いているかどうかを見るということが必要ですね。
大体、性交渉経験がある人の8割の女性が生涯で1度は感染するっていわれています。だから感染するのが普通と思っていただいた方がいいです。感染が特別なこと、自分はまずいのかも?! と思う必要はなくて、感染するのが普通です

 

 

子宮頸がんは見つけやすいがん

 

子宮頸がんは非常に見つけやすいがんなのです。検診で前がん病変と呼ばれる細胞を見つけることができるんです。これはウィルスに長く感染していて、細胞の形が崩れている状態。この段階で発見できれば、子宮を残し子宮頸部の入り口だけ削る治療ができるんですね。また、この前がん病変も時間の経過でウィルスが排除されて、細胞が元に戻ることもあります。だからこの状況を見つけられれば細かく検査をして、細胞の変化を見届けて、必要だったら削る手術をするのか、経過観察でいいのかという判断ができるんです。

ウィルスに感染しても、細胞ががん化するまでに数年から数10年かかるといわれているので、例えば子宮頸がんが見つかったとしても、誰からウィルスが感染したということを推測するのは非常に難しいですね。いつの感染かは、もちろんわかりません。ですから検診で自分の体を守ることが必要になるのです。

 

日常生活を脅かす子宮頸がんのリスク

 

さっきもお話したように、初めは自覚症状がありません。がんが進行していくと、不正出血や、おりものの異常、腰の痛みなどが現れます。症状がなければ安心というわけではなくて、症状がなくても定期的に検診をする必要があります。そして発見が早ければ早いほど、治療の効果が期待できます。定期検診で細胞の異常が見つかって、これはごく初期のがんですよということであれば、円錐切除という子宮の入り口を削ってしまう。こうすると子宮を残せますから、将来赤ちゃんを産むこともできます。

自覚症状がある場合は、子宮頸部だけじゃなく中に進行している可能性もあります。そのときは入り口だけは間に合わないので、子宮や卵巣も全部とってしまわなければなりません。また、排尿に関係する神経やリンパ節など、広範囲で取らないといけなくなってしまうこともあり、いろいろ日常生活に支障が出ることがあります。

子宮や周りの排尿に関する神経なども全部取らなければいけなくなってしまって、術後に足が象のようにむくんだり、尿意を催さないので自分で排尿ができなくなってしまったという方もいます。そうなると日常生活が大変だと聞いています。

 

20~30代の女性で一番多いがんは「子宮頸がん」

 

子宮頸がんの現状として20~30代の若い女性で発症率が高くなっています。今日本全体では年間約15,000人が子宮頸がんを発症し、そのうち3,500人くらいの方が亡くなっています。子宮頸がんは、早期発見しやすく治療の可能性が高いとはいっても、がんはがんですから、放っておけば、やはり壮絶な死がやってきます。20~30代の若い女性でいうと、子宮頸がんがダントツ女性の中で多いですね。乳がんは、著名人の方でもカミングアウトされる方が多いですが、子宮頸がんをカミングアウトされる方は少ないですね。そうしたことから、話題になりにくいものですが、現状で20~30代で1番多い女性のがんは子宮頸がんです。

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初交の低年齢化が子宮頸がん増加の理由

 

子宮頸がんが増加している理由は、中学生や高校生での初交経験の低年齢化があります。低年齢で何の知識もないまま、ヒトパピローマウイルスに感染して放っておいてしまうと、そこから数年から数10年後に発症することがあります。皆さんはこの知識をしっかり持っていただいて、検診を受けてくださいね。性交経験を持ったらその翌年くらいから毎年定期的に検診をぜひうけるようにしてくださいね。たとえば自分の誕生日ごろと決めておくとかね。もちろん生理やおりものの異常などがあったら、すぐに産婦人科に行くようにしてください。そのまま放っておかないっていうことをちょっと頭に入れておいてくださいね。

 

圧倒的に低い20代の子宮頸がん検診受診率

 

子宮頸がんは、検診を受けていれば見つけることができる。でもね、日本の検診率ってとっても低いですよ。諸外国のうち、特に先進国では7~8割の女性は検診を受けています。検診を受けないと罰則がある国もあるらしいです。また、文化として、親御さんが一緒に産科婦人科に行く習慣がある国もあります。でも、日本では多分親子で、性交渉の話などはあまりしないですよね。そういう文化なので、なかなか親御さんが娘さんを連れて検診に行くってことがなく、検診率も低いっていうのが非常に残念なところです。ですから、皆さんのような、若い女性に「検診受けようね」と周りに呼びかけていただくのは、すごく大切なことだと思っています。

検診率は全体でも30%くらいですが、特に20代の検診率が低いです。おめでたなのに場合によっては子供も諦めなければいけないこともあります。そんな悲しいことにならないように、特に20代の方の検診率をあげていきたいとおもっています。

 

子宮頸がん検診にかかる費用

 

高崎市では20歳を超えると、子宮頸がんの検診受診券が送付されます。自費で受けると6,000円ちょっとくらいします。でも、その受診券があると、高崎市内の指定病医院で800円で検診が受けられるんですね。残りの費用は市が負担してくれます。20歳から生きている限り、女性には全員毎年子宮頸がんの検診は補助されます。

 

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これは佐藤病院で子宮頸がんの検診を受けた人の年齢別の分布図ですこの山になっているところは、妊娠したことで子宮頸がんの検診を受けた人数かなと推測できます。やっぱり20代の若い人はすごく少ない。すごく素晴らしいなと思うのは、90歳を超えても子宮頸がんの検診に来てくれるおばあちゃんたちがいます。女性である限り、検査を受けるという風習はすばらしいなと思います。

 

子宮頸がん検診はブラシで組織をこすりとるだけ

 

では、子宮頸がんの検診とは一体どんなことやるのかしら? と思っているかたのために。基本は細胞診という、専用のブラシで子宮の頸部をこすって細胞を取るものです。この時間は何十秒です。もしこれで細胞に異常があった場合は、「コルポ診察」という子宮へ拡大鏡を入れ、画面に映しながら組織を採ります。それを病理検査でがんかどうか、悪性か良性かを調べます。今はヒトパピローマウイルス検査もできるので、最初の細胞診のときに一気に検査をしてしまうこともあります。
今日は細胞診とヒトパピローマウイルスの両方とも検査をさせていただいています。結果は3週間くらいで届くので、ご自宅にお送りします。

 

子宮頸がんに罹るリスクの高い女性とは?

 

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どういう人が子宮頸がんになるかというと、まず性交渉をすれば確率は非常に高いです。また、パートナーがちょっと多いとか、不特定多数だったりすると危険度はやはり上がります。ですから、本当に自分を大切にしてくれる人と性交渉をするというような気持ちで、自分の身を守って欲しいな、と思いますね。また、性感染症に感染している人は抵抗力もないわけですから、子宮頸がんになる可能性も高いですね。あとはピルをずっと服用している人っていうのがありますが、避妊目的で飲んでいる人はもしかすると性交渉が多いという可能性があるのかもしれませんが、ピル服用がリスクになるのはなぜなのか?と疑問視もされています。喫煙は1番ダメ。喫煙はどんなガンでも危険因子になっています。タバコを吸う人は免疫力が低いので、ウィルスに感染する可能性が高いのです。ですから、風邪をひかない体を作るのと同じで、ヒトパピローマウイルスがに感染しない体を作る、免疫力を上げるということが大切です。

 

男性にもあるヒトパピローマウイルスのリスク

 

性交渉でウイルスに感染するということは、男性には関係ないんですか? と思いますよね。もちろん男性も感染しますし、男性器や咽頭など粘膜に付着してがんになることがあります。

司会 男性も性交渉のパートナーが多かったりすると、リスクがありますか?

福田 ありますね。コンドームをすればいいわけではないんです。ヒトパピローマウイルスはどこにでもあるものです。聞いた話ですが、公衆トイレのドアノブを消毒してウィルスナシの状態にしてから、1時間後に検出をすると、ヒトパピローマウイルスが見つかったというくらい一般的なものなのです。ですから、コンドームは性感染症を防ぐのには重要ですが、装着するときに、もし手にウィルスが付着していればヒトパピローマウイルスには全く意味がないのです。こうしたこともあって、国によっては男子にヒトパピローマウイルスのワクチンを打たせているところもあります。

 

子宮頸がんを防ぐのに一番大切なことは定期的な検診受診

 

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お話のまとめとして
●子宮頸がんはヒトパピローマウイルスへの感染が原因です
●早期発見が可能です
●細胞の病変を見ることで経過観察ができます
●有効な検査方法、ヒトパピローマウイルスの検査や、細胞診の検査といった有効な検査方法が確立されています

「子宮頸がん検診を定期的に受けることで、がんから身を守ろう!」

 

<後編へ続く>


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